運動会での成就感・達成感を子供たちから取り上げたくない。集団の活動を通して,協力することの大切さ味わいながら仲間づくりをさせたい。高学年にとっては,係活動を通して主体的に意欲的に行動する責任ある仕事の楽しさを味わわせたい等々………運動会に対する教師の思いはたくさんあります。
本校は,運動会の見直しをみんなで考えた結果,運動会の意義を大切にしながら,簡素化できることは簡素化して『子供たちの体力増進、ねばり強くやり抜こうとする気持ち,協力してやり遂げる満足感』の大事なことをしっかり育てることを目的に,学校の運動会を行うことにしました。
「子供は,見てもらうことによって成長する」面は大きいものです。見てもらうことにより,がんばりが増し,全力を出すことができるのです。その意味でできばえや結果の良さだけを見て称賛するのではなく,大きな視点で,声援のまなざし送っていただきたいと思います。
昨年度の反省を下に,6年生を中心にした5・6年の応援リーダーを復活させました。赤組・白組緑組に分かれて,それぞれの組独自に創作した応援の型や歌で,運動会を盛り上げます。毎朝自主的に,リレーの練習等熱心にやっている子供たちの姿も見られます。
5・6年生は,様々な係の仕事をやる気満々でいます。いろいろな子供たちの姿に目を向け,声援してください。
しかし,子供によっては,嫌いにならないための配慮,可能性を信じることのできる配慮の必要な子もいます。本校の運動会には,そんな配慮部分もあります。
学区民運動会は,地域と連携して行う運動会で,お祭り的な要素をもっています。
しかし,春の運動会は,練習や当日のがんばりを通して,「体力の増進を図り,ねばり強さを育み,協力することの大切さを実感させながら,それぞれの成就感・達成感を味わわせること」を目的としています。
春の運動会は,上述の通りの目的を持っていますが,「子供たちの生の姿を地域の方々に知っていただく」という学区民運動会の要素も勿論含まれています。
御自分のお子さんの姿だけではなく,たくさんの子供たちの姿もご覧いただき,保護者の皆様の元気な声援をお願いいたします。
どんな親の対応が子どもの心を育てるでしょう!
なんだかんだ言っても,親は我が子が一番かわいいし,勝敗に燃える心もあります。でも,ちょっと考えてみてください。親の何気ない反応の積み重ねが,子供の人格を形成していくことになります。
1〜4に共通なのは,その時点の我が子のみしか目に入っていないことです。
1の保護者は,子供の気持ちを感じてあげることができるのですが,子供の困難を取り除いてあげることしか頭にありません。このように子供の周りに起こる困難を取り除く行き届きすぎた環境は,自分で困難を乗り越えていく力を育てにくくしまいます。
2の保護者は,正しいことを正当に主張しているわけです。もし,オリンピックやプロ野球であるなら,当然の抗議事項だと思います。でも,VTRに我が子の1位の姿が映っていたら,家族みんなで大喜びをしてあげることこそ重要なのだと思います。家族で喜んでくれることこそ,子供の成就感・達成感を高めることになります。学校や大人に不信感を持たせる抗議という形をとるより,せっかくの素晴らしい機会を子供の心の成長に生かすことの方が大切だと思うのですが……………。
3の保護者の立場になったら,子供を一喝してほしいと思います。「ずるをして勝っても,勝ったことにはならないのだよ」と親が毅然として教えることこそ重要です。
とにかく,目先の順位やその場の優越感を大事にするのでなく,体力と同時に,子供の心を育てる運動会にしたいと思います。御協力よろしくお願いいたします。