【第7号】−平15.9.3−

学習習慣の形成に向けて
校長相澤兵三

思いっきり汗を流して,暑さを全身で感じることもなく過ぎてしまった今年の夏休みでした。それでも子供たちにとっては,楽しい思い出がたくさんできたようです。自由研究や作品作りに取り組んだこと,旅行や地域の活動に参加しての思い出などをニコニコしながら話してくれました。
そして9月。秋の気配が濃くなってきたこの時期は,いよいよ1学期のまとめになります。『天高く馬肥ゆる秋』。スポーツや読書に最適の季節と言われていますが,学校としては,学習に真剣に取り組む時期としてとらえていきたいと思います。
さて,すでにお知らせしておりましたが,本校は文部科学省より平成15・16年度『学力向上フロンティア事業推進校』の指定を受け,現在研究を進めているところです。
でも,『フロンティア』って何?具体的にどんなことをしていくの?と思われることも多いと思います。そこで,今回は『学力向上フロンティア事業』について,説明をしたいと思います。

『学力向上フロンティア事業』

文部科学省では,新しい学習指導要領がめざす「確かな学力」の向上のために,学校・家庭・地域が一体となって取り組み,児童一人ひとりの実態に応じたきめ細かな指導の一層の充実を図ることとし,次の3つの事項をあげています。

  1. 発展的な学習や補充的な学習など個に応じた指導のための教材の開発
  2. 個に応じた指導のための指導方法・指導体制の工夫改善
  3. 児童の学力の評価を生かした指導の改善

このことを受けて本校では,次のように取り組んでいきます。

1.取り組みの基本的な考え

本校では研究主題を,『確かな学びで輝く子供』―一人ひとりが生きる「分かる授業」の創造−とし,研究目標を,児童一人ひとりの理解や実態に応じた指導法や教材の工夫を行い,「分かる授業」を創造する,として研究をすすめています。今年度は「国語」「算数」を重点教科にして,「分かる授業」づくりに取り組むことにしました。
取り組みの一つ目は,基礎・基本の定着を図るチャレンジタイムの充実(毎朝の15分を確保)です。具体的には,学びの姿勢・学ぶ習慣の確立と定着をめざすこと,基礎・基本の定着を図るための教材の整備をすすめることです。
国語では,漢字の習得・言語事項の学習・読む・聞く・書く(作文)などを,算数では,学習内容の定着を図る反復練習(計算練習など)・個別に対応した指導のための系統的なドリル教材の作成と整備などをめざします。
基礎・基本を本校では,その学習に必要なもととなる力,読む力・書く力・話す力,計算する力,学習指導要領に示されている内容などと,考えました。
二つ目は,確かな学力を向上させるための指導方法を工夫することです。
三つ目は,少人数指導体制を生かした指導形態を工夫することです。自己選択型コース別学習・習熟度別学習・課題別学習などを検討し,実践しています。グループや課題選択にあたっては,児童一人ひとりの意欲・関心・達成感・成就感などを大事にしています。

2.研究の歩み

4月から7月に,学力到達度診断テスト,「生きる力」の意識調査(児童),7月には「ぼくのゆめ・わたしのゆめ」アンケート(児童),「教育活動」アンケート(保護者)調査の結果等は,研究を支える貴重な資料として活用していきます。教員研修として,教育センター石原直指導主事や宮城教育大学相澤秀夫教授を招いて学習会も行いました。また,6月には,なかよし学級授業研究(国語)・6年授業研究(算数)市教研の研究授業,7月には1年授業研究(国語,9月には4年授業研究(国語)を行いました。更に10月には5年授業研究(国語),11月には2.3年 授業研究(算数)を行う予定です。

3.ご家庭へのお願い

以上のような計画で実践研究を進めておりますが,その基盤となる児童の生活習慣や学習習慣が学力を向上させる上で,大切になります。この点に関しては,特に家庭との連携が欠かせません。次にいくつかの配慮事項を述べますので,よろしくご協力をお願いいたします。
まず,生活基盤の形成とは家庭・学校での基本的な生活習慣を形成するということです。あいさつがしっかりとできる,朝食をちゃんととって登校する,夜おそくまで起きていない(早寝早起きの習慣),などがきちんとできるように励ましてあげてください。
また,学習基盤の形成とは一日の生活リズムの中に学校家庭での学習をきちんと取り入れるということです。家庭で決まった時間勉強する習慣をつける,学校で使うものの準備をきちんとする(忘れ物はしない),なども保護者の方々の働きかけが重要となります。
次に本校での家庭学習の考え方とめやすをお知らせしますので,お子さんと話し合いながら少しずつ身につくように励ましてあげてください。

学年
考え方・おさえ
めやすの時間
1年
  • 宿題の形で学習します
  • 決まった時間に学習することがねらいです
10〜15分
2年
20〜30分
3年
30〜45分
4年
  • 自主学習の様々な仕方を指導します
45〜60分
5年
  • 自主学習の自分なりの方向性を見つける時期です
50〜75分
6年
  • 自分に必要な学習を見つける時期です
60〜90分


最後です。甲子園における東北高校(古城小の先輩が選手で活躍)の準優勝が私たちに大きな感動を与えてくれました。夢を叶えるためには,努力や忍耐が必要です。家庭と学校が同じ目線で子供たちをしっかりと見つめ育てていきたいと思います。今後ともご理解ご協力をよろしくお願いいたします。