余計なお世話

もうすぐ,午後3時になるという時
校長室に顔を出してくれた,1年生の子どもたち。

そんな中,ある子が
「この時計さあ,ボーンって鳴るんだよねえ」
と,私に話しかけました。

すると,周りにいた子たちは
「え〜っ,じゃあ聞いてから帰ろう」
と興味津々の様子で,時計の近くに集まってきたのです。

その時計というのは,校長室にある柱時計のことです。

「寄贈 昭和42年3月 第37回卒業生一同」と
書いてある文字が,歴史の重みを感じさせます。

「校長先生,あと3分?」
「もうすぐだねえ」

子どもたちの,こんな言葉が耳に入った私は
「よしよし,じゃあ,今すぐ聞かせてあげるね」
と言って,長針を動かしました。

ボ〜ン,ボ〜ン,ボ〜ン

「わあ〜,鳴ったねえ」と子どもたち。
私はすぐに,針を元に戻しました。
3時まで,あと2分少々・・・。

その後,子どもたちは,どうしたと思いますか?

私は,念願叶って,柱時計の音を聞いたのだから
別な遊びにはいるだろうなと,思っていました。

ところが・・・・。
子どもたちは,柱時計の前から離れないのです。
「3時になったら,また鳴る?」
と,時計を見つめているのです。

ここで初めて,私は自分の愚かさに気付きました。

子どもたちは,待ちたかったのですよね。
「もうすぐ,もうすぐ! 鳴るぞ,鳴るぞ!」と
わくわくしたかったのですよね。

まさに,余計なお世話とは,こういうことを言うのでしょう。

反省・・・・。

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