負ける練習

先月30日に行った学芸会で,私は以下のような挨拶をしました。

一人一人の思いを尊重する。
子どもの希望を最優先に叶える。
それが意欲に繋がるのだ。
このような考え方は,決して間違ってはいません。

しかし,自分の思いが通らないこともある。
希望どおりにはいかないこともある。
こういう経験をさせるのも,大切なことではないでしょうか。
これがまさに,学芸会の価値の一つであると私は思います。

『人間だもの』で有名な相田みつを氏は
これを「負ける練習」と言いました。

自分一人だけが,負けたのならショックは大きいと思います。
しかし,学芸会では
周りの何人もの友達も負けているのを,子どもたちは目撃します。

同じ経験をしているのに,何で平気なんだ?
それどころか,目標を変えて,次頑張るって言ってる。
「悔しいけど,一緒にがんばろう」と言ってくれた。
嬉しいなあ。ありがとう。

ごくごく自然な形で,子どもたちは
このような経験ができるのも,学芸会の良さです。
子ども同士で,学んでいくのです。(ココマデ)

オーディションについて,触れた部分です。

社会に出れば,自分の思いとは裏腹に
本意ではないことでも,折り合いをつけ生きていく。
こんなことは,当たり前ですよね。

社会に出て突然こんな目に会ったら,辛すぎます。
だからこそ,学校ではあえて
「負ける練習」をさせる必要があると思っています。

そして,私たち大人は
負けてしまって下を向いている子を
ほったらかしにするのではなく,前を向けるように
また一歩,いや半歩でも歩み始められるように
そっと背中を押してあげること。

その上で,見守ってあげることではないでしょうか。

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