ドリームメーカー

本日の授業参観・懇談会では,大変お世話になりました。
ありがとうございました。

授業参観後に行った,校長挨拶です。


私はかつて,次のような話を聞きました。

その子は,とても大人しい男の子でした。
中学校3年間,絵を描かせればいつもダンプカーを描いていたそうです。

映画「トラック野郎」が大好きで
将来はダンプの運転手になることが夢でした。

しかし,クラスメイトには
「お前は,ダンプの運転手なんかになれない。第一,免許が取れないだろう」
と馬鹿にされ,教室の隅で泣いていたこともあったそうです。

その彼はいったい,どんな大人になったと思いますか?

驚く事なかれ,社長です。

ダンプカーを十数台保有し,運転手を何人も雇っている会社の社長です。
つまり彼は,自分の夢を実現したのです。

彼が中学校を卒業し,数年後に運転免許証を取得したと知った
中学時代の先生たちは,皆一様に驚いたそうです。
「まさか,あいつが・・・」と。

しかも,彼が会社を設立したのは,あの東日本大震災の直後です。
彼は,自分のダンプを使い,津波で甚大な被害を受けた気仙沼や石巻など
特に,海沿いの地域の復旧・復興の支援を行いました。

来る日も来る日も,ダンプを走らせたそうです。
このような事実があっての会社設立でした。

その方は,こうも話してくれました。
「私たち大人は,子どもたちの夢を奪ってはいけない。
 ドリームキラーになってはいけないのです。
 ドリームメーカーになるべきなのです」

私はこの話を聞いたときの,胸が熱くなった思いを今でも忘れません。

彼は,まさに夢中だっと思います。
ダンプカーが大好きで大好きで,大好きで仕方なかった。
だから,運転手の道を決してあきらめなかった。

夢中になれることを,夢中になれるものを見つけてほしい。

たとえ見つけられなくても
そのための素地となる,様々な経験をしてほしい。

私は,子どもたちがそうあってほしいと思いますし
学校とはそれを提供する場であり
そうならなければならいない場である
とも思っています。

ご自宅に戻られましたら
どうぞ,我が子をたくさん褒めてほしいと思います。

皆さんが見て感じた成長の事実をぜひ,お子さんに伝えてほしいと思います。

最後になりますが
私たち大人が,子どもたちにとってのドリームメーカーとなるために
私たち教職員と保護者の皆様が
同じ方向を見て歩んで行けますことを切に願い
校長の挨拶とさせていだきます。

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