平和とは

「優しい人というのは,相手の心の痛みや辛さを
 分かってあげられる人。
 相手の立場や気持ちを想像できる人。
 今日は,当時の人たちがどんな生活をしていたのか
 どんな思いでいたのかを想像してほしい」

こうしてスタートした,6年生の平和学習。

戦災復興記念館内にある貴重な資料を見せていただきながら
青葉区まちづくり推進課の及川 節郎 先生から
仙台空襲のことを中心に,話をしていただきました。

最初に,スクリーンに映された1枚の画像。
それは,一面が焼け野原になった仙台市中心部の様子でした。
この瞬間から,子どもたちの目と心は釘付けです。

当時の写真や,詳しい数字をもとにした説明から
仙台空襲の凄まじさが,伝わってきます。 
空襲警報のサイレンを聞いたときには,心がざわつきました。

中でも特に,胸が締め付けられたのは
当時,片平丁小学校に勤めていた横尾 梅子 先生の話です。

仙台空襲の日,横尾先生は夕方から出勤します。
焼けてはならない学校の資料を守るための当番だったからです。
5歳と3歳のお子さんをご主人に預けて・・・。

我が家がある方角に,火の手が上がりました。
一瞬,家族の下へ戻ろうかと思ったけれど
任された職責を果たすために,学校に留まった横尾先生。

6時間にも及ぶ空襲が終わり,夜が明けたとき
そこには,あまりにも残酷な現実が待っていました。
家の近くに掘られた防空壕の中で
愛する二人の我が子と,ご主人の姿を目にするのです。

三歳の女の子はお父さんに守られるように
5歳の男の子は,自分の身を守るように地面に伏せたまま
亡くなっていました。

あの時,家族の下へ駆けつけていれば・・・。
私の愛が足りなかったから・・・。
このような自責の念に,何度も何度も襲われた横尾先生。
それでも横尾先生は,教師としての仕事を全うし
晩年は,語り部として平和の大切さを伝え続けたそうです。

今は,お亡くなりになった横尾先生の代わりに
及川先生が,横尾先生の言葉を私たちに語ってくれています。

戦争は,いかなる理由があろうと始めてはならない。
始まってしまったら,止めることは難しい。

及川先生のこの言葉が,今も私の耳に残っています。

何万人,何千万人の人間が死ぬから,戦争はよくない。
確かにそうです。

でも,戦争は,人の命を奪うだけでありません。
たとえ生き残ったとしても
残された故の辛さや苦しみもあるのだ・・・。
横尾先生の言葉は
私たちにこう訴えているような気がしてなりません。

最後に写された,今の仙台市の街並み。
「杜の都仙台」にふさわしい,その美しい風景からは
77年前の7月10日に起きた惨劇を
思い起こすことは不可能です。

だからこそ,今回のような平和学習は価値があるのだと
あらためて思いました。

特に,未来の仙台を,未来の日本を
そして,未来の世界を担う子どもたちにこそ・・・。

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