平成25年度

1回 心のケア研修会

 

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 児童生徒の
 心のケア研修会

震災後3年目の心のケア(校長・園長対象)

講師 武蔵野大学 教授 藤森 和美 氏

1回心のケア研修会

(校長・園長対象)

震災から時間が経過するに伴い,震災による児童生徒への影響が「個別化・多様化」している。また,震災との因果関係が不明瞭になっていく。加えて,転校のストレスも影響してくる。

1 心理的ダメージの構造について

左の3つの要因(@〜B)が重なり,元々の課題(C)が顕在化してくる。

2 喪失とトラウマとの違い

喪失 トラウマ
ヒト・・・()大切な人を失う
モノ・・・()家を失う,健康を失う
コト・・・()仕事を失う
記憶を消しても『その人がいない』という事実は変わらない。思い出までは消したくない。
症状は,悲哀・自責・怒り・うつ など。
実際の体験や目撃

恐怖の記憶は,もし記憶を消すことができれば解決
症状は、侵入・回避・過覚醒など。

喪失とトラウマとの合併に注意する必要がある

トラウマからの回復には個体差が出てくる(本人や家族がもっている資源による差) 

  3 トラウマによる症状
 

侵入と再体験

今も被害を再体験し続けしている状態。本人の意思に関係なく,記憶が侵入してきてパニックになったり(フラッシュバック),怖い夢が続いたり,子どもでは事件に関連した遊び(ポスト・トラウマティック・プレイ)を繰り返すなど。

※子どもが脅迫的に遊んでいるのを見て,「元気そうにしている」と見間違えることがある。

回避とひきこもり

再体験を避けるためにひきこもった状態。事件の話題を避け,事件を思い出させるような場所や人を避けようとする。記憶が曖昧になったり,元気がなくなったり,ぼーっとしていたりする。生き生きとした感情がなくなった状態。

※「落ち着いている」と見間違えることがある。子どもの場合は退行(赤ちゃん返り)がよく見られる。

過覚醒と強い不安

危険が去ったにもかかわらず,全周囲警戒態勢が続いている状態。何かに怯え,物音などにびくついたり,ちょっとしたことで急に怒ったりする。眠れない。

※子どもがじっとせずに動き回っているのを見て,「元気そうにしている」と見間違えることがある。




 4 学校コミュニティにおける心のケア

(1)教師による適切な対応

専門職から助言を得ながら,教師が保護者及び子どもに対応をする。

応急処置として専門職が直接保護者及び子どもに対応することもある。

(2)学校という「場」を平穏にする

学校という場が平穏になることで,子ども(個)へのケアができる。したがって,学校という場を平穏にしていくことが必要。

(3) 一人ひとりができることを

それぞれの立場の者がそれぞれの役割を果たしながら,子どもたちへの支援を実施していく。

 研修会で使用した資料