同窓会入会式によせて

-2003.3.20-

 平成14年度の卒業式を前にした3月18日,6年生77名の同窓会入会式が行われました。その会に寄せて,同窓会長の山本雅士様より言葉をいただきました。山本様はNHKの番組制作に携わっておられる方で,現在は「サタデー&サンデースポーツ」に関わっておられるそうです。お忙しい中,昨年度に引き続き,卒業生のためにメッセージを送っていただきましたので,以下に紹介いたします。

卒業生のみなさんへ
同窓会会長山本雅士

 みなさん,こんにちは。私は古城小学校の第1回卒業生です。みなさんは,もうすぐ卒業ですね。今日みなさんは同窓会に入会していただくことになります。これまで古城小学校から2390人が卒業し,会員になっていますが,みなさんも今日から私たちの仲間となります。

 さて,私はテレビ局に勤めていて,この1年はサッカーのワールドカップの報道に明け暮れました。皆さんも,日本の試合などをテレビでご覧になったと思いますが,先日,日本代表の宮本選手から,とても興味深いお話を聞く機会があったので,そのことについてお伝えしたいと思います。

 ご存じかと思いますが,日本は,第1戦のベルギー戦で2対1とリードしたものの,同点に追いつかれ引き分けとなってしまいました。相手の攻撃に対してディフェンスラインをあげたところ,ラインのウラにボールを放り込まれての失点でした。組織的に守って素早く攻撃につなげようと,トルシエ監督が4年間かけて作り上げてきた守り方のいわば弱点をつかれたのです。

 次のロシア戦は勝たなくてはなりません。そこでディフェンスの中心である宮本選手は他の選手達と話し合い,守り方を変えて,ラインを上げないことに決めます。きっかけは,イングランド対アルゼンチン戦を見たことでした。ベッカムのPKで1点をリードしたイングランドは,守りきろうとラインを下げ徹底して守る戦術をとって勝ったのです。宮本選手は,これを自分たちにも応用できるんじゃないかと考えたのです。それにしても4年間ずっとやってきたことを本番で変更するなんて,かなり勇気のいることだと思います。ロシア戦で,トルシエ監督は,戦術とは違った動きをする選手達に疑問を持っていたようです。しかし,宮本選手達は,実際にピッチで戦っている自分達の感覚と力を信じて必死に守り抜き,1対0でワールドカップ初勝利を手にしたのです。

 「日本の歴史的勝利というのにプラスして,自分たちのちょっと手を加えたやり方が成功して0点におさえられた喜びも感じました。確信はありましたし,勝つための選択だと思って,自信を持ってやり通すと言うことしか考えてなかったです。」宮本選手はこう語ってくれました。ワールドカップ本番という重要な場面で,失敗の反省を生かし,自分たちを信じきって戦ったのです。自分の力を信じるということは本当に大切なのだと改めて感じました。皆さんはどう思われますか。今日は,みなさんにお会いして,直接お話ししたかったのですが都合がつかず,このような形でお伝えすることになってしまいました。いつかお会いできることを楽しみにしております。

2003.3.17


大雪の後で…

-2003.1.27-

1月23日(木),県内は大雪に見舞われました。午前中から降り始めた雪は夕方になってもまだ降っており,古城小駐車場に停めてあった車の屋根には,その時点で20cmほど積雪がありました。(雪は夜半にはやみました)

さて,明けて24日。一面の雪に日差しが照り返る,まばゆいほどの良い天気になりました。子どもたちは前日ほとんど外遊びができなかっただけに,休み時間には大喜びではしゃぎ回りました。湿気を多く含んだ雪だったため,固まりやすく,雪遊びには最適でした。

あたり一面の銀世界。
どんなに天気が良い日でも,休み時間にこれだけの子どもたちが校庭に集まることはないだろうというくらいの人出。あちらこちらで歓声がわき上がります。
こちらでは背の高さ以上の雪だるまができました。並の積雪ならこれだけの雪を集めると,表面に砂も一緒にくっついて汚れてしまうところですが,今回は雪の大玉を作ってもきれいなままでした。
女の子3人がスコップを使って雪山を作っていました。聞いてみると,「かまくらを作ってるの」とのこと。力が入ってます。
玄関前にはソリ滑りのコースができていました。ビニール袋をお尻に敷いてスイー!手作りの短いコースでも,これはこれで結構楽しめるものです。

雪遊びの後はどうしても手袋や靴下が濡れてしまいます。この日は,暖房をつけた校長室が「乾かし室」として特別に開放されました。


野焼き

-2002.12.2-

11月21日,校庭で6年生が縄文土器の野焼きを行いました。縄文土器は7月に親子行事で保護者と子どもたちが一緒に作り,この日まで十分に乾燥させておいたものです。

土器を焼く「窯」は,校庭の隅に作りました。直径7mの円周上に堅く土を盛って土手にした単純なものです。その中に土器を並べ,さらにその上に,土器が壊れないように小さなやぐらを組んでその上で火をたきます。土器は少しずつ温度を上げて焼く必要があるため,焼き上がるまでまる1日かかりました。

最初に,少しずつ火を燃やし火床を温めます。これはその燃料となる古畳を切っているところ。畳が燃えたあとの灰は,焼くときに土器を覆うことにも使われますから一石二鳥です。
窯の中央にはブロックと古机と鉄骨でやぐらが組んであります。準備段階なのでまだまだ火は小さいです。わざとちろちろと火を燃やしながら窯を温めつつ灰を作っています。土器は窯の円周上に置いて温めます。

ところで,こちらは物々しい(あやしい!?)格好をしている子どもたち。作業は火の近くで行うため,熱対策に頭と顔をタオルで覆い,軍手をはめています。

窯の回りに置いていた土器は,途中で180度回転させ,まんべんなく火に当てます。みんな宝物のように大切に扱っています。
窯の回りに大量の材木を準備。「本だき」にそなえます。
灰を作り終え,火床が温まったら土器を並べます。中央のやぐら下には大きな土器を置き,円周に向かうにしたがって小さな土器を並べていきます。そして土器の上から灰をかぶせます。
少しずつ火力を上げて「本だき」へ。勢いよく燃え上がる炎。これくらいになると窯のそばには立っていられません。焼き上がりを心配しつつ,あるいは楽しみにしながら,遠巻きに眺めています。

上の写真の後,火を落として一昼夜放置。自然冷却ののち完成!
一つとして同じ色合いや模様がない,味わい深い作品に仕上がりました。