前を向いて

テレビ放送で行った復興プロジェクトの中で
私は,次のようなことを子どもたちに伝えました。

東日本大震災で起きたことを見たり聞いたりして
「大変だったんだ」と
苦しみや悲しみを感じるだけで,終わりにしてほしくない。

この10年,そしてこれからも
前を向いて歩み続けている人たちがいることも知ってほしい。
そして,自分なら何が出来るかを考えてほしい・・・と。

10年前,私たちは未曾有の大災害を経験し
心も体もボロボロになりました。
でも,そんな中でも
日本人としての誇りや,日本という国の素晴らしさも
たくさんたくさん知ることができました。

人と人との繋がり。優しさ。思いやり。愛。
SNSを通して,そんな温かいエピソードが伝えられました。

◇避難所でおじいさんが「これからどうなるんだろう」
 と漏らした時,横にいた高校生くらいの男の子が
 「大丈夫,大人になったら僕らが絶対に,元に戻します」
 って背中をさすって,言っていたらしい。
 大丈夫!未来はあるよ!

◇道を歩いているときに「トイレのご利用どうぞ!」と
 書いたスケッチブックを持って
 自宅のお手洗いを開放している女性がいた。
 日本って,やはり世界一温かい国だよね。
 あれ見た時は,感動して泣けてきた。

◇家を無くした40代の女性が言った。
 私たちは,他人の幸せや喜びをねたむほど落ちぶれていない。
 皆さんもどうぞ,我慢せずに楽しいときは笑い
 嬉しいときは喜んでください。
 私たちも一日も早く,皆さんに追いつきます。
 俺は,涙をこらえて笑顔でエールを贈った。

◇募金箱の前にて。幼稚園ぐらいの男の子と母親の会話。
 母「貯めていたのに本当にいいの?」
 子「3DS我慢する。これで地震の人の家を建てる」
  と言い,お年玉袋から5000円を寄付。
 母「偉いね。地震の人,これで寒くなくなるね」
  男の子,思わず号泣。後ろにいた私,大号泣。

このようなたくさんのエピソードが,日本中いや世界中を
駆け巡ったそうです。

せめて,今日一日くらい
「○○が悪い,○○のせいだ」の類ではない,心温まる言葉が
広まってくれれば・・・。

あの頃の気持ちに立ち返って,新たな一歩を踏み出す
そんな姿を,子どもたちに見せられたら・・・。

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