本校は明日から待ちに待った夏休みとなります。休み前の最終登校日の今日は，朝の活動で定義太鼓の練習を行った後，音楽室で「夏休み前朝会」が行われました。
子供たちに話したテーマは，「アサガオの不思議」についてです。
以前勤めていた学校の当時の学校長が「アサガオ」のことを話していたことを思い出し，関係する資料や著書を探してみると，宮城県図書館の蔵書に一冊見つかりました。
その内容を，小学生向けにアレンジしたものです。
ところで，アサガオが開花する条件は，何だと思いますか？
子供たちや大人の方に，質問すると概ね以下のような返答になります。
�…�，夜明けとともに，花がさく。
（太陽の光があたると，花がさく）
��朝，決まった時間に花がさく。
��ある気温になると，花がさく。
�て辰法い�まりはない。
アサガオに興味を持った，当時中学校１年生の生徒が，周りの友達よりも一か月遅れて種をまいたために，アサガオの開花が８月末から９月初めになってしまいました。
その時期に観察したら，アサガオは日の出の前の真っ暗な時刻に開花したそうです。
夜明けとともに花が咲くと思い込んでいた生徒はびっくりして，アサガオの開花に興味を持ち，調べ始めたそうです。
まず，花がどのように咲くか調べようと思って，アサガオの鉢を部屋に持ち込み，一晩中観察しました。ところが……。
花はまったく開きませんでした。
中学生は，この事実からいろいろと仮説を立ててみました。
その一つが，「夜明るくしておいたから，咲かないのではないか？」つまり，「アサガオがさくには，夜の闇がひつようなのではないか」という考えです。
その考えを確かめるために，部屋に置いたアサガオに黒いふくろをかぶせておいて，次の日の朝に咲くかどうか確かめてみました。（もうひとつの鉢には，光を当て続けておきます）
結果は，黒い袋を被せた方は，「きれいなアサガオの花が，たくさん咲いていました。」
その次の年は，種をまく時期をいろいろ変えて，日没と開花時刻の関係を調べました。分かったことは，「前の日の日没から花がさくまでの時間が，だいたい同じ」ということです。
中学生は，「アサガオは，暗くなってからある決まった時間の後に，花がさく」という事実をつきとめ，もしこの説が正しかったとしたら，「アサガオの花がさく時刻を，自由に変えることができるかもしれない」と考えました。
中学生は，自分の考えを確かめるために，暗くする時刻をいろいろと変えて，開花時刻を調べました。
結論としては，どのアサガオも，決まった時間（１０時間前後）暗闇の中に置いておくと，花がさくということでした。
つまり，アサガオの花がさくには，人間と同じように，真っ暗なところで，睡眠をとることが必要だということが判明したのです。
自然を注意深く見ていると，このような現象に偶然出逢うことがあります。
それを「なぜだろう？」と思うことが科学の始まりです。
自然の不思議を知ることは，とても楽しいことですね。
アサガオのことを調べた中学生は，その後京都大学の大学院でアサガオの研究を続けたそうです。
最後に生徒指導の担当から，夏休みの生活についてお話がありました。
特に大事にしてほしいことを子供たちに尋ねると，
「命」「体」は出てきたのですが，最後の一つがなかなか出ません。
さて，最後の一文字は，何だったのでしょう。
